2012-01-01から1年間の記事一覧

いつか名もなきひとになる

2012年1月22日、祖父が亡くなった。 今年を振り返るとき、まずはじめに思い出すのはそのことだ。田舎の質屋の三男坊として生まれた祖父は、人生の大半を百姓として過ごした。 世界大戦で兄ふたりは戦死し、質屋の財産もほぼすべて失われたからだ。 祖父は、…

sabio

わたしが小学校にあがったころ、絆創膏は「ばんそうこう」、「バンドエイド」もしくは「カットバン」だった。それは肌色というより薄茶色のもので、貼ったときできるだけ目立たないようにつくってあるぶん、不恰好で、色気もなにもなかった。 そしてそれはま…