※ネタバレします※ 前代未聞の作品+主演女優2名パルムドール受賞と、約7分間にも及ぶセックスシーンで話題になっている映画『アデル、ブルーは熱い色』をみてきました。鑑賞を終えての心のなかの第一声は、この映画へ公式コメントもされている東小雪さんと…

“真実の愛”を巡る旅その2ー『アナと雪の女王』

ディズニーのプリンセス映画は『美女と野獣』以降、「美しい女性が王子にみそめられて、危機から救ってもらいゴールイン!めでたしめでたし」という「お嫁さん街道まっしぐら」から外れた姫像が主流であるけれど、その度に新しいジェンダー観や主題を打ち出…

“真実の愛”を巡る旅その1ー『ドン・ジョン』

愛、愛、愛、これほど人間が古今東西求め続けているものってあるだろうか?「真実の愛」なんて散々語り尽くされているはずなのに。AV監督の二村ヒトシさんが著作『すべてはモテるためである』を出して本当にモテるようになってから、女性への「加害者意識を…

芽キャベツの憂鬱

「自分が口にしている食材がどのような形で自然界に存在しているかを、現代人はあまりに知らなすぎる」「酷い例だと切り身のまま泳いでいる魚がいると思っている子供さえいる」なんてことを、かつて某新聞紙で読んだことがある。数々の寿司ネタが海を泳いで…

家電量販店の女性定員は、増税したら世界が終わるような口ぶりだった。 わたしはその場をあとにして、コーラルレッドのリップスティックを買った。 「今日買おうが、買うまいが、消費税はあと10日後にはアップしてしまいます!」

All You Need Is...

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて ケヴィン・シールズのサウンドの秘密を追って作者: 黒田隆憲出版社/メーカー: DU BOOKS発売日: 2014/02/14メディア: 単行本この商品を含むブログ (19件) を見る友人のライターでカメラマンの黒田隆憲さんが新…

かぐや姫はどこから来て、どこへ還るのかー『かぐや姫の物語』と『ゼロ・グラビティ』

突然ですが、現代の、人類二大未知といえばそれは「死」と「宇宙」なのではないだろうか。子供の頃、布団に入ってから眠るまでに考えた「死んだらどうなるんだろう」と「限りなく続く果てがない、宇宙って一体どういうことなんだろう」という疑問は、当時の…

『ブリングリング』

ついこの間、ひとりでカフェ飯を食しながら、近くに座っていた女子大生ふたりの会話をなんとなく聞いていた。どうやら彼女らは将来つきたい職業について話をしているらしい。 女子大生A「学校の先生とかいいよねー。ひとに影響与えたいって思う。」 女子大生…

『ウォールフラワー』

※ネタバレありです※ 「ひととひとが出会うと物語がうまれる」という、よくある当たり前の真実が、わたしはとても好きだ。だからレオス・カラックス監督作の『ボーイ・ミーツ・ガール』は、この世に数多ある映画タイトルのなかでも完璧なもののひとつだと思う…

選択することと批評することで自分の力を確信固辞しようとする人間への憎しみはやっぱり消えることはないし、でもその憎しみが消えたらそれはそれで不安だし、自分と同質の人間とだけつきあうことは安心と心の平穏をもたらしまるで世界はとてもシンプルなも…

狂気のゆるきゃらグランプリ2013

※わたしの個人的な偏見にみちたゆるキャラ観であることを念頭に読んでくださいね☆※ みうらじゅんさんが名付け親だが、もうすっかりビッグビジネスとなった感のある「ゆるキャラ」。数年前まで全く興味のなかったわたしも、とある、ゆるキャラにまつわる傷害…

風たちぬ

「風たちぬ。いざ生きやめも。」 25歳になった。完全に護られて安全だった母の子宮内から、産道を通り、頭・胴・足の順でこのわけのわからない世界に、まぬけな裸としわくちゃな顔で出てきてから、どうやら4半世紀経つらしい。数年前まで、自分の生の時間を…

やや、あって。

「夏の風物詩、蝉は7年間地中のなかでくらし、太陽のもとにやっとでてこれたかと思ったら7日後には息絶えてしまう、、ああ命とはなんと儚いことよ」みたいなことひとは言うけれど、いやそれが蝉の生体だから、なんなら蜉蝣のほうが儚いんじゃないその名前…

SNSでアモーレ

2013年6月末日、丸3年間とちょっとやっていたtwitterをやめた。そうしたら、あんなに「時間がたりない時間がたりない」と思っていたのが嘘みたいに、本を読む時間も家事をおこなう時間もできた。おまけに精神と眼精疲労も比較的落ち着くようになった。 twi…

夏がすきだ。「暑いから夏は嫌い」なんてひとは言うけれど、わたしは子供の頃から夏がすきだった。 毎年ゴールデンウィークが過ぎ、梅雨も近づいてくるとまれに日差しが強く気温の高い日がでてくる。そうするとわたしは「そろそろだな」と思う。さらに梅雨に…

いつか名もなきひとになる

2012年1月22日、祖父が亡くなった。 今年を振り返るとき、まずはじめに思い出すのはそのことだ。田舎の質屋の三男坊として生まれた祖父は、人生の大半を百姓として過ごした。 世界大戦で兄ふたりは戦死し、質屋の財産もほぼすべて失われたからだ。 祖父は、…

sabio

わたしが小学校にあがったころ、絆創膏は「ばんそうこう」、「バンドエイド」もしくは「カットバン」だった。それは肌色というより薄茶色のもので、貼ったときできるだけ目立たないようにつくってあるぶん、不恰好で、色気もなにもなかった。 そしてそれはま…

手の目のやつら

映画『パンスラビリンス』にでてくる妖怪、ペイルマンをみなさんはご存じだろうか。 なんだか白っちくてだらんとした肌に骨が浮き上がっており、絶対に腐臭とかがしそうな感じがするこのお方が噂のペイルマンさんである。しかしご覧の通り、なんといっても彼…

世界でいちばん悲しい歌

私は、世界で一番悲しい歌は「ドナドナ」だと確信している。 そして、その悲しさを一番発揮できるのは、プロや合唱団でもなんでもない、ただの小学生(こんな言い方はおかしいけれど、「ただ」な人はいないからね)が音楽の授業でこの曲を歌うときなのだとも…

ペン字練習

私が4月から働く職場では、達筆な者は重宝されるということをきいて、最近ペン字の練習をはじめた。 けれどもペン字の練習というのは概して、簡単な漢字の手本をなぞるなどするものが大半で、小学生時代の、もうすっかり覚えている漢字の練習が宿題に出され…

世界中の名前いろいろ

ある日、アメリカ小説を読んでいて、わたしは思った。 「ネーサン」という登場人物名をきくと、どうしても日本人は姉の呼称「ねいさん」を連想し彼を女もしくはそれに準じるものと思ってしまいがちだが、そのことによって引き起こされる、その物語への理解の…

靴をはくこと

「だれだれになりたい」みたいな願望はいちばんむなしい願望だと思う。 どんなに努力してもその「だれだれ」にその人はなれるわけないから。 でも、みまわしてみればそういう呟きはあふれてる。 ほとんど脅迫的に人々を「だれだれ」にさせようとしている者が…

Dr.パルナサスの鏡

テリー・ギリアム監督作。 パルナサスの娘役にはトップモデルでケンブリッヂ大学に通うリリー・コール。 『BOY A』で主役をつとめたアンドリュー・ガーフィールドも出演。 個人的に思い入れのある御三方が関わる作品ということでみてまいりました。 全体的に…

自己公開

わーちょう朝!日差しが徹夜明けのわたしにはしみるよ!おひさまおはよう! っていうのもここ1週間ほどを捧げたゼミ論執筆がようやく終焉を迎えたのだよ。寝ないでかいたのだよ、最後まで。 徹夜明けのこのテンションで、このまま私がどんなことをどんなふう…