世界中の名前いろいろ

ある日、アメリカ小説を読んでいて、わたしは思った。
「ネーサン」という登場人物名をきくと、どうしても日本人は姉の呼称「ねいさん」を連想し彼を女もしくはそれに準じるものと思ってしまいがちだが、そのことによって引き起こされる、その物語への理解の欠如について翻訳者はどうお考えなのだろうか、と。そしてまた、「ジョナサン」を呼ぶ時、日本人は彼を呼び捨てにしている感をさほど感じないのではないか、と。


ネーサンやジョナサンに限らず、名前というのはその文化圏ではなんとも思われないものであっても、他国の者からすると異様だったり思いがけないイメージがついてしまうことは往々にしてある。ネーサン=姉さん問題は「なんでもないような音」に思いがけない意味がついてしまって発生するものだ。


一方で、名前に対する「感覚」の違いが文化によって違うのだなぁと感じさせる名も存在する。
例えばトマス・ハーディーの「テス」には「エンジェル」という名の男性がでてくる。これも日本人にとっては非常にインパクトのある名前だ。自分の子供に「天使」!おまけに男の子だよ。いやぁ。すごいね。あとは「ブラウン」さん、「ホワイト」さんもすごい。色!苗字が色。混じりっけなしの白。


世界中から人々を集めて「すごい名前選手権」みたいなのを是非開催してほしい。
日本代表は御手洗さんと上下さんで今のところ決まり。


こんなこと言ってる私の名も、ひょっとしたらルーマニア辺りでは「耳掻き」や「しびん」等の意味を持つかもしれない。