選択することと批評することで自分の力を確信固辞しようとする人間への憎しみはやっぱり消えることはないし、でもその憎しみが消えたらそれはそれで不安だし、自分と同質の人間とだけつきあうことは安心と心の平穏をもたらしまるで世界はとてもシンプルなものに思えてくるけれど決して実際はそうではなく、その現実をまざまざと見せつけられたわたしは今日もビールジョッキを左手にもちながら恨めしげにその恨めしい相手の様子を眺めて自分も批評して自分の力を確信固辞してでもそれに対する憎しみを失くしたくないし言いたいことは言いたいし、とどのつまりは思い煩うことなく生きたいが晴れやかな気持ちでいることへの疑念が生じていつだってわたしは不安でいたいし腸を煮えくり返りかえしたいがためにそのきっかけを探しているにすぎないのかもしれず、それは結局退屈したくないがため。